石積会長が京都府議会に参考人として出席

石積会長が参考人として出席

京都府議会が 会場建設を検討

山田知事も 強い関心

  2015年8月25日(火) 、京都府議会の農商工労働常任委員会 (委員長:二之湯真士 府議会議員) は、 「MICEの開催・誘致の促進、その課題について」 というテーマのもと、京都府における大規模展示会場建設の検討を行いました。
  会議の開催趣意書によれば、同委員会は 「京都は日本を代表する国際会議都市として存在感が高いが、一方で、国際的な見本市を開催することができる大規模な展示会場が無く、 『MICE都市 京都』 として物足りない」 という問題意識を持っていました。
  そのような中、日本最大の業界団体 「日本展示会協会」 の石積会長を 「参考人」 として招へいし、約2時間半にわたって、講演と質疑応答を実施しました。
  出席者は農商工労働委員会に所属する12名の府議会議員に加え、京都府商工労働観光部 (岡本圭二 部長) の幹部約20 名。会議の模様はインターネットで生中継され、この問題への関心の高さと期待の大きさを物語っていました。
  会議の模様は次ページから紹介しますが、ここではまず、講演の前に行われた、石積会長と山田啓二 京都府知事との会談の様子を報告させていただきます。

  石積会長は山田知事に対し、 「この後、京都府議会で講演を行うが、京都を今まで以上に発展させるために、大規模な展示会を数多く開催することが必要だと信じます」 「そのためには、展示会場の建設を急がねばなりません。
  今まで京都に大規模会場が無かったことは不思議なくらいです」 と述べ、世界中の都市が展示会開催に力を入れている現状を説明しました。
   山田知事は石積会長の話に強い関心を示し、 「話を聞いて、大規模展示会場の必要性を強く感じた。建設場所や、建設スキームなど、具体的な検討を進めたい。今後も有益なアドバイスをお願いしたい」 と語り、石積会長と握手を交わしました。

京都が真のMICE(マイス)都市になる為に

何が必要なのか?

  山田知事との会談の後、石積会長は京都府議会の農商工労働常任委員会に出席し、まず最初に1時間近くの講演を行いました。要旨は以下の通りです。

  1. 京都では年間たくさんの国際会議や学会等が行われており、 「国際会議都市」 としては大きな成功を収めている。しかし、京都は真の 「MICE都市」 となっていない。それは、大規模展示会が京都ではまったく開催されていないからだ。

  2. 「真の展示会」 とは、一つの業界における何百社、何千社の競合他社が一堂に集結するものを指す。したがって、大規模であることが最大の特徴であり、だからこそ地域や業界にもたらすメリットは巨大である。

  3. また、出展社数が多ければ多いほど、魅力ある展示会となり、日本中から、世界中からより多くのバイヤーが集まるようになる。世界中の会場が年々規模を大きくしているのは、これが原因だ。

  4. 展示会は一度開催されれば、毎年、同時期に同会場で開催されるため、毎年定期的に、開催地に巨大な経済効果をもたらす。

  5. 京都は日本を代表する観光地。日本中、世界中の参加者にとって魅力がある都市であるため、展示会都市としても大成功することは確実。しかし、大規模な会場が無い限り、それは不可能だ。

  6. 京都が今まで力を入れてきた国際会議や学会でも、最近では大規模な展示会を併催するニーズが高まっている。例えば今年京都が主催した第29回 日本医学会総会でも、展示スペースが京都府内で足りなかったために、一部の展示会を神戸でも開催したと聞く。参加者にとっては不便であるし、京都府民にとっては、せっかくの経済効果をみすみす京都から流出させることになり、非常にもったいないことだ。

  7. 最低10万uの展示会場を建設し、近い将来にそれを15万uに拡張することを提案する。

 

従来の発想から脱却しよう!

「真の展示会」 が、京都を大発展させる

  石積会長の講演の後、約2時間にわたって質疑応答が繰り返されました。ほぼ全出席者から、異例とも言えるほど活発に質疑がなされ、この問題への関心の高さを改めて感じさせました。
  質問の中の幾つかを以下に紹介します。なお、分かりやすくするために、言葉を補った部分もありますので、ご了承ください。

 

質問1)

展示会場の立地条件は? 東京、幕張、横浜、福岡など、展示会場の多くは臨海部にあるが、京都のように内陸部でも問題ないのか?

回答1)

(石積会長) まったく問題ない。世界には内陸の都市が展示会都市として成功している例はたくさんある。全米最大の展示会都市ラスベガスや24万uの会場を有するシカゴも内陸だ。世界最大の50万uの展示会場があるドイツのハノーバーはじめ、フランクフルト、ミュンヘン、ケルン、フランスのパリなど、ヨーロッパの多くの展示会都市が内陸である。

質問2)

日本の展示会場の稼働状況は?

回答2)

(石積会長) 日本の展示会場の稼働率は、世界の中でも飛び抜けて高い。空きがほとんど無い状態の会場が多く、新しい展示会のために申し込んでも予約できないことが多い。
  しかし私は、 「そのことを本当に喜んでいいのだろうか?」 と申し上げたい。というのは、稼働率が高く、ほとんど空きが無いということは、新しい展示会を立ち上げることができず、既存の展示会も拡張できない状態であり、巨大な 「機会損失」 を引き起こしていることだと解釈できるからだ。
  展示会場に関する稼働率について多くの誤解があるので、念のために申しあげたい。一般的に展示会場の稼働率はホテルの稼働率と異なり、65%が上限であるのが、世界の通念である。
  というのは、展示会場はホテルと異なり、実際には貸し出すことができない日数が必然的に数多く発生するからだ。例えば、お盆やクリスマス時期、展示会と展示会の間の細切れの日数、会場全体の中で少しだけ空いているスペースなどがあり、それを埋めることは不可能な場合が多い。これが、一室一室が独立しているホテルとは根本的に違う点である。
  世界の展示会場の稼働率は良くて30%だ。その理由は、

  1. 「展示会による年間の経済効果が1,000億円に上る場合、会場の稼働率が30%で年間の赤字が10億円であっても、大きな問題ではない」 と、世界中の都市が考えているからだ。

  2. 「誰でもいつでも新しい展示会を立ち上げられるようにしておくこと」 が展示会場の使命と認識しているからだ。この根底には、 「展示会場は、空港、港、道路と同様、経済インフラである」 という考え方がある。
    日本は展示会場を考える際、稼働率を最優先にしがちだ。その結果、会場をできるだけ小さく造り、展示会以外の様々なイベントで会場の予約を満たそうとする。そうなれば、宿泊を伴うような大規模展示会が物理的に開催できなくなり、経済効果は微々たるものしか生まれない。すなわち 「本末転倒」 になりがちだ。

 

質問3)

なぜ日本の展示会場は規模が小さくなってしまったのか?歴史的背景があるのか?

回答3)

(石積会長) 様々な理由が考えられるが、個人的見解を述べる。

  1. 日本では 「大きな会場を造って本当に埋まるのか?」 と過度に心配する傾向が強い。その結果、稼働率を過剰に優先することになり、会場建設の当事者はできるだけ小さく造ろうとするようになる。これは他の経済インフラである空港や港も同じであり、日本が国際競争に年々遅れる原因となっている。
    私が世界中でよく聞いた言葉に、 「供給が需要を創り出す」 という言葉があるが、その発想が世界中の展示会場を日本に比べて圧倒的に大きくしていると思う。

  2. 「コンベンション=会議」 と狭く解釈する傾向があるので、「会議ができればいい」となり、その結果、 「真の展示会」 が開催できない小さい会場、すなわち5,000u〜1万uの会場が日本中に建設されたと思われる。 私は同様の観点で、 「MICE施設=会議施設」 と考えている人が多いのではないかと危惧している。その偏った理解によって、結果的に小さい会場ができてしまい、 「展示会場を造った」 と言いながら、実際には 「真の展示会」 が開催できないという状況が繰り返されてしまうと心配している。
    京都が「真のMICE都市」 になるためには、今までの発想と決別し、 「真の展示会」 を開催するという明確な決断が必要だということを、改めて強調したい。

 

質問4)

(京都府に対する質問) 京都府は、展示会場建設についてどのように感じているか?

回答4)

(京都府商工労働観光部 岡本部長) 参考人の話の中で、 「展示会場は産業のインフラである」 という観点は今まで持っていなかった。また、単にハード (建物) を造ればよいという従来の考えとは異なり、石積参考人の話はソフト (展示会を京都で創っていこう、という発想) の話が中心である。

現状の展示会場 (パルスプラザ、みやこめっせ) は小さいが、稼働率は50%だ。参考人の話では、この数字は 「ほとんど埋まっている」 ということだが、事実、両会場とも予約がとりづらくなっているようだ。
これらを総合し、京都府としても大規模展示会場の建設を真剣に検討してみたいと感じている。
(石積会長) 地元の展示会場の稼働率は50%ということで、会場としては機能しているということだと思うが、今の会場で行われているのは、私が主張するような 「真の展示会」 ではなく、地元を対象とした即売会や音楽会などのイベント、講演会などが中心のはずだ。
これらのイベントが、私が主張する展示会・見本市と決定的に異なる点は、宿泊を伴わないことだ。つまり、経済効果が小さく、京都活性化策の決定打としてはインパクトに乏しい。
世界中の展示会都市は、宿泊がどのくらい生まれるかを第一に考えている。世界中から、すなわち外部から、ビジネスマンが1回で何万人も集まり、宿泊して商売を行うことになれば、京都は大きく変わる。したがって、従来型の地元中心のイベントはそれとして継続して開催する一方、それとは全く違う発想で、 「真の展示会」 を京都は目指すべきだと思う。それは政治・行政が決断すべきことだ。
さらに、京都にはホテルが少ないのが問題ということだが、展示会場を造れば、会場周辺にホテルが自然とできるので、休日はそのホテルを観光にも貸し出せば、現状のホテル不足にも対応できるようになると考える。

質問5)

(京都府に対する質問) スポーツ施設等で、かなりの金額をかけて建設している例を考えれば、展示会場は経済効果を生み出すという点で、ずっと効率的な投資だと考えるが、いかがか?

回答5)

(京都府商工労働観光部 岡本部長) 今までは、小さいものからスタートして需要に応じて徐々に大きくするという考え方だった。今日の参考人の話は、大きいものをつくって需要を生み出していくという、逆の発想である。展示会場の建設は 「先行投資的なもの」 であると捉え、新しく検討していきたい。

質問6)

京都には、展示会のテーマとなる産業が限られているが、それでも大丈夫なのか?

回答6)

(石積会長) 展示会都市として成功するかどうかは、その都市が何かの生産地か、消費地かという問題とは無関係だ。アメリカのラスベガスが最も良い例だ。ラスベガスはギャンブルとエンタテインメントの街というイメージが強く、巨大な生産者や消費者がいるわけではない。しかし、全米最大の展示会都市として大成功を収めている。
ラスベガスが展示会都市として成功できた最大の要因は、ラスベガス市内で合計45万uにも上る、巨大な展示面積を有していることだ。

 

京都に会場ができても、まだ全く足りない!

日本の会場面積を 現在の3倍以上に

  日本でもようやくながら、大規模展示会場の建設の動きが全国各地で起きています。東京ビッグサイト、パシフィコ横浜が拡張を決めた他、成田、新潟、名古屋、大阪、沖縄・・・等で会場新設が真剣に検討されています。そしてついに今回、京都で大規模展示会場建設に向けた 「種」 が撒かれたのです。
  これを聞くと読者の中には、 「そんなに各所で会場を造って大丈夫なのか」 等と感じられる方もいるかもしれません。

それに対して石積会長は、 「日本は経済規模に比べ、展示会場が圧倒的に不足していることが事実だ。日本の展示会場総面積は35万uであり、それは中国の14分の1、アメリカの20分の1、ドイツの10分の1でしかない。不足状態を裏付けるかのように、ほとんどの展示会場はなかなか予約が取れないのが実情だ」 、さらに、 「現在の日本の展示会場総面積を、早急に3倍の100万u以上に拡大してもすぐに埋まってしまうので、これでもまだ足りないぐらいだと、私は確信している」 と述べています。
  右図は、石積会長が7年前から主張している 「日本の展示会場総面積3倍構想」 です。彼が全国各地の会場建設を積極的に提唱する背景には、この構想があるのです。

  石積会長は長年に渡って主張してきました。 「資源の無い日本が、グローバル経済の中で勝ち残るためには、世界中から人、モノ、情報がどこよりも集まる国にならねばならない。そのためには、 『見本市大国 日本』 になることが近道だ。そのためには、まずは大規模な展示会場が日本全国に建設されることが不可欠である」 と。
  今後も日展協は、全国の展示会場建設計画に対して、協力を惜しまない方針です。

お問い合わせ:  一般社団法人 日本展示会協会 国内広報委員会 TEL: 03-3518-2640 

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