広報委員会 2026.08.31

展示会にキュンです♡ Vol. 15

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展示会にキュンです♡ Vol.15 安全を、展示会業界の「当たり前」に。

安全を、展示会業界の「当たり前」に。
展示会では、たくさんの人や企業が出会い、新しいビジネスが生まれています。
でも、その華やかな会場ができあがるまでには、ブースをつくったり、出展物を運んだり、多くの人が働く「搬入・搬出」の現場があります。

そこで働く人たちの安全は、どうやって守られているんだろう?

今回は結が、「インテックス大阪 安全大会2026」に行ってきたよ!

会場でお話を聞かせていただいたのは、日本展示会協会 安全対策委員会 委員長で、メッセフランクフルト ジャパン株式会社 代表取締役社長の梶原靖志さん。

さらに、インテックス大阪 常務理事の近藤秀樹さん、施設管理を担当する永田伸幸さんにも加わってもらって、それぞれの立場から見た“展示会の現場の安全”について教えてもらいました。
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梶原 靖志氏(日本展示会協会 安全対策委員会 委員長):右 近藤 秀樹氏(一般財団法人大阪国際経済振興センター 常務理事):左
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永田 伸幸氏(一般財団法人 大阪国際経済振興センター インテックス事業本部 部長)
展示会の安全管理って、何がそんなに難しいの?
展示会の搬入・搬出現場では、限られた時間の中で、さまざまな会社、さまざまな職種の人が同時に作業します。

主催者が直接発注する施工会社だけではありません。
出展者が独自に手配した施工会社、その下請け企業、さらに近年では短期・単発で現場に入る作業者もいます。
梶原さんは、ここに展示会ならではの安全管理の難しさがあると話します。

梶原さん
「例えばコンサートであれば、工事をするのは基本的に主催者と契約している会社なので、比較的コントロールしやすい。でも展示会には、私たち主催者とは契約関係のない、出展者が発注した施工会社も多数入ってきます。そこまでどうやって安全ルールを徹底するかは、今も難しいところです」


「同じ会場で働いていても、全員が主催者と直接つながっているわけじゃないんですね」

安全に関するルールは、出展者マニュアルなどを通して伝えられています。
しかし、その内容が現場で実際に作業する一人ひとりまで、確実に届いているとは限りません。

永田さん
「出展者マニュアルはかなり分厚いので、そこまできちんと見てもらえていないケースもあるのでは」

これに梶原さんも、

梶原さん
「読まずに施工会社へそのまま渡してしまう出展者も結構います」

と応じます。
つまり、ルールをつくり、マニュアルに記載したからといって、それだけで安全が守られるわけではありません。
ヘルメットひとつをとっても同じです。

「作業中は着用してください」と定めても、誰が、どこまで、どのように徹底していくのか。

主催者、会場、施工会社、出展者など多くの関係者がいる展示会では、ルールを現場の一人ひとりまでどう届け、実際の行動につなげるかが大きな課題になっています。


「“ルールを決める”だけじゃなくて、“現場までちゃんと届く”ところまで考える必要があるんだね」
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展示会業界には、みんな共通の安全ルールがあるの?
実は、以前は展示会業界には安全に関する統一的な基準がなく、それぞれの会社が独自にルールを定めていました。
その状況が大きく動いたのが、2024年です。
日本展示会協会は、「展示会搬入出に関する安全ガイドライン」を策定しました。

梶原さん
「これまでコロナ禍の『感染拡大予防ガイドライン』はありましたが、日本展示会協会が自主的にガイドラインをつくったのはこれが初めてです。『業界として、これを標準的なものにしていきましょう』という一歩だったと思っています」


「それまで会社ごとに違っていたものに、“展示会業界としての基準”ができたんですね!」

展示会装飾などを担う支援企業にとっても、主催者や会場ごとにルールが大きく異なれば、そのたびに違う基準へ対応しなければなりません。
業界共通のベースができることには、大きな意味があります。

梶原さん
「ベースとなる安全基準があるだけでも、共通化できることは多いと思います。それが業界全体のボトムアップにもつながっていく」

一方で、ガイドラインを策定したからといって、翌日からすべての現場が変わるわけではありません。
だからこそ現在、安全対策委員会が力を入れているのが、継続的な啓発です。

今回の「インテックス大阪 安全大会」への協力をはじめ、各地で開催される安全に関するイベントとの連携、現場で使用・掲出するための安全啓発ピクトグラムの制作・公開など、さまざまな方法で安全について考える機会を増やしています。
実際の現場も、少しずつ変わってきている?
変化のひとつが、搬入・搬出時のヘルメット着用です。
梶原さんは現在の状況について、「まだ全然、着用率は低い」と厳しく見ています。
一方、長年展示会の現場を見てきた会場側には、少し違った実感もあります。

近藤さん
「それでも数年前と比べると、少しずつ着用率は上がってきています」

インテックス大阪で安全パトロールを行っている永田さんも、以前の現場についてこう振り返ります。

永田さん
「昔は現場の安全パトロールで、10メートルおきぐらいにヘルメット着用を注意していたイベントもありました。」

それほど多かったヘルメット未着用者が、現在では少しずつ減ってきています。

近藤さん
「地道な啓発活動の積み上げが、じわじわ効いてきているんだと思います。安全大会は年に一度、主催者・運営会社・施工業者・支援企業・会場が一堂に会して、関係者全員で安全意識を共有する貴重な機会になっています」


「一気に変わったわけじゃないけど、いろんな取り組みが少しずつ現場につながっているんですね」

安全意識の大きな変化は、一日で起きるものではありません。
ガイドラインをつくる。
マニュアルに記載する。
現場で声をかける。
ピクトグラムを掲出する。
安全について話し合う場をつくる。

一つひとつは小さな取り組みでも、それを積み重ねてきたことで、現場の意識は少しずつ変わり始めています。
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他の会社がどんな安全対策をしているかって、みんな知ってる?
こうした変化をさらに広げるために重要なのが、企業や職種の垣根を越えた情報共有です。
梶原さん自身も、安全大会などで他社の取り組みを知り、「うちもやらなければ」と感じた経験があるといいます。

梶原さん
「そもそも、主催者同士で他社の安全に関する取り組みを聞く機会は、意外と無いんです。だから、このような安全大会の場で様々な立場の方の話を聞き、情報を共有することはすごく大事だと思います」


「うまくいった取り組みだけじゃなくて、“こんな危ないことがあった”という情報も、みんなで共有できたら次の事故を防げそうですね」

どこか一社の成功事例や不安全事例を、その会社だけのものにしない。
業界全体で共有し、次の現場へつないでいく。

今回の安全大会のように、普段は異なる立場で働く人たちが集まり、安全について一緒に考えることは、展示会業界全体の安全水準を底上げするための重要な機会になっています。
インテックス大阪 安全大会2026の様子

インテックス大阪 安全大会2026の様子

“ルールだから守る”だけじゃなくて、“守るのが普通”になるように
安全対策委員会では、さらにその先も見据えています。
現在検討しているのが、ヘルメット着用率をさらに高めるためのキャンペーンや、実際に起きた事故事例の共有です。

梶原さん
「『こういうルールができました』と言って、突然明日から変わるものではありません。だから今後も継続的な啓発活動が大事だと思っています」

大切なのは、ルールで縛ることだけではありません。
なぜ、そのルールが必要なのか。
その意味を理解し、現場にいる一人ひとりが自然に安全な行動を選択できる状態をつくっていくことです。


「“注意されるから守る”じゃなくて、自分から安全な行動を選べるようになる。それが本当の意味での“当たり前”なのかもしれないね」

時間はかかっても、一つひとつ積み重ねること。
それが「安全を業界のスタンダードにする」ための道なのかもしれません。
9月は「安全月間」。安全を考えるきっかけを、すべての現場へ
夏の閑散期を終え、展示会の開催が増えていく秋の繁忙期。
その入口となる9月を、日本展示会協会では「安全月間」と定め、業界全体で安全意識を高める取り組みを進めています。

今年からは「安全月間リボン」にも日本展示会協会の名前が入り、会場や企業の枠を越えた取り組みとして広がり始めています。
最後に梶原さんは、展示会業界にとって安全がなぜ大切なのかを、こう話してくれました。

梶原さん
「私たち展示会業界が成長していくために、安全はすごく重要なことです。展示会の数が増えたり、規模が大きくなったりすればするほど、事故が発生する可能性も高くなります」

展示会には、人と企業をつなぎ、新しいビジネスを生み出し、産業を成長させる力があります。
しかし、その舞台となる現場の安全が守られていなければ、その価値を持続させることはできません。

梶原さん
「きちんと安全対策をした上で、展示会業界が健全に成長していく。そのために、私たち日本展示会協会も、安全対策委員会も頑張っていきたいと思っています」
結が今回の取材で感じたこと
今回いろいろなお話を聞いて、「展示会の安全は、誰か一人だけが守るものではない」と改めて気づきました。

主催者、会場、施工会社、運営会社、出展者。そして、実際に現場で作業する一人ひとり。
いろんな立場の人が少しずつ意識を変え、声をかけ合い、良い取り組みも、危なかった事例も、次の現場へつないでいく。

そんな積み重ねが、
「安全に仕事をすることが当たり前」
の展示会業界につながっていくんだと思います。

9月は「安全月間」。
いつもの現場で、いつもの作業を始める前に「これって安全かな?」と、ほんの少し考えてみる。
そんなところから、結と一緒に始めてみませんか?