展示会にキュンです♡ Vol.10 「これから」の世代が動かす展示会 ~エバーリッジ株式会社~
展示会を「企業と企業をつなぎ、産業を前に進める社会インフラ」と捉えるエバーリッジ株式会社。自社の事業成長だけでなく、展示会市場そのものを広げていきたいという想いから、2026年に日本展示会協会に入会しました。今回は同社が主催する「産業DX総合展」「DX総合EXPO」を取材してきました。
今回お話を伺ったのは、営業部でリピーター出展者を担当する石塚さんと、CXオペレーショングループで会場運営を担う宮脇さん。ともに展示会業界に入って2年ほどの、いわば「これから」の世代です。そして、そんな二人の背中を見守る取締役副社長・秋野さん、Bizcrew事業本部 副本部長・川合さんにも、会社の未来についてお話しいただきました。
石塚さんは元証券マン。「株式を売ったりはしていましたが、あまり産業を動かしているという実感はなかった」と振り返る前職から一転、展示会業界へ。今はリピーター出展者の窓口として、次の出展に向けたコンサルティング営業を担当しています。
「ひとつの会場でたくさんのサービスが、何万人という来場者の方に知ってもらえる。展示会をひとつ開催するのにも、出展者や来場者だけでなく、施工・装飾や設備・インフラなど、様々な業者が関わって産業が動いているのを実感できるのがすごく良いと感じています。」
印象に残っているのは、ある出展者が展示会での取材をきっかけに大手企業との成約につながったという話。「展示会に出ていなければなかった話。それを聞いたときはすごく嬉しかったです。」
一方の宮脇さんは、前職は静岡の鉄道会社で保険営業。「営業の経験を活かして、別のジャンルに挑戦したくて」転職を決意しました。現在は会場準備やパネル手配などを担う運営・管理側の立場です。
「関係者みんなにポジティブな影響が広がる業界だと思います。出展者も来場者も、主催者も関係業者も、みんなにとってプラス。負の感情が起きにくい。」
準備段階から会場ができあがっていく様子、当日の盛り上がりを見るのが嬉しいと語る宮脇さん。所属する「CXオペレーショングループ」という名前がついたのはごく最近のことだそう。「ただ会場を準備するだけじゃなく、来場者の方に満足して帰っていただくにはどうしたらいいか。フードラウンジや謎解きイベント、交流会など、今まで手付かずだった企画にもチームとして取り組んでいます」
2年間、この業界で走り続けてきた二人に、今後やってみたいことを聞きました。
石塚さんが温めているのは、自身の子育て経験から生まれたアイデア。「まだラフに考えているだけですが、子育てDXの展示会をやってみたいです」。現在2歳のお子さんがいるという石塚さん。「寝かしつけやお風呂の手助けをしてくれるサービスが普及すれば、大変な子育てがもっと効率化できるはず」と目を輝かせます。
一方、宮脇さんが見据えるのは、展示会そのものが持つ価値の広がり。「今は製品やサービスの導入を目的に来場される方が多いと思いますが、そこから別の価値が生まれたらいいなと。たとえば自分のキャリア形成のために学びに来る場所とか、シンプルに楽しいから展示会に来る、とか。『自分のために行ってみようかな』と思ってもらえる展示会にしていきたいです」。CXの向上を掲げるチームの一員として、具体的な答えはまだ模索中だと言いますが、その視線はすでに次のステージに向いています。
若手が挑戦できる「箱」を作る ―― 秋野氏・川合氏が語る会社の未来
そんな二人の挑戦を後押しするのが、取締役副社長の秋野さんとBizcrew事業本部 副本部長の川合さんです。
エバーリッジでは最近、新しい展示会の企画を専門に考える部署が新設され、川合さんが部長を兼任しているそう。石塚さんが語った「自分の展示会を持ってみたい」という夢は、決して遠い話ではなさそうです。
川合さんはこう続けます。「今は将来を見据えて、組織の箱を作っている状態です。今は僕や秋野さんがいくつも部長を兼務していますが、その席をメンバーたちに取っていってほしい。」
エバーリッジの組織づくりにはもうひとつ特徴があります。多くの主催会社が展示会ごとにチームを組む中、同社は職種ごとに横断的な組織を採用。
「うまくいくかどうかはやってみないとわからない。うまくいかなければ変えていけばいい。現在は70名を超える程度でまだまだコンパクトな組織なので、意思決定の速さとフットワークの軽さは、私たちの武器です」と川合さんは話します。
社員の平均年齢は33歳。半数以上を女性が占め、現場スタッフにも多くの女性が活躍しています。
大阪開催について宮脇さんは、「東京と比べるとスピード感は違いますが、ブースでしっかり話を聞いてくださる来場者が多い印象」と語ります。「『これ知ってるよ!』と興味深く聞いてくださる方が多いですね」。石塚さんも、地方開催ならではの出展メリットの伝え方や、ブースでの見せ方をコンサルティングの中で工夫していると言います。
転職を経てこの業界にたどり着いた二人の若手社員が、それぞれの経験を糧に次の展示会を作っていく。エバーリッジ株式会社の展示会には、そんな未来への熱量が詰まっていました。

左から エバーリッジ石塚さん、秋野さん、宮脇さん
石塚さんの「子育てDXの展示会をやってみたい」、宮脇さんの「展示会の価値を変えたい」という将来への想い、そして秋野さんからも「出身が熊本なので、農業系の展示会を開催するのも面白いかもしれない」とアイデアがふと飛び出す一幕も。
役職も世代も違う四人から、まだ輪郭のはっきりしない夢がぽんぽんと出てくる。それを誰も茶化さず、受け止める空気があったのがこの会社の魅力だと感じました。